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此処は、人の道の迷子になってしまった『月の雫』が蹲っている場所です。 『月の雫』の心の葛藤の物語と詩を、絵と写真を添えて綴っています。

   
カテゴリー「屋根裏(雫の徒然)」の記事一覧
確か、平家物語の冒頭文と出逢ったのは中学の国語だったか?

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす。
奢れる者久しからず、ただ春の世の夢の如し。
猛き人も遂には滅びぬ。偏に風の前の塵に同じ。

誰もが知っている平家物語の冒頭。
初めてこの文に出逢ってから、ずうーっと心の奥に何かが引っ掛かっている。
悔しいような、諦めきれないような、いつまでたっても割り切れないような、
それでいて懐かしいような切ない感情。
別に私が体験したわけじゃないのに、息苦しくなるような感情。

私は決して日本史好きではない。
近頃は歴女だの武将隊だのが流行っているが、
私自身は歴史小説や歴史ドキュメント、戦国時代物(時代劇も含め)、
それらに関わる武将など、全くと言って興味がない。
映画だって邦画より断然洋画の方が好きだし、
日本のことなのだから興味を持てと言われても、体が受け付けない。
(当然だが、歴史は成績が悪かった。)
なのにこの平家物語の冒頭文に関しては何故か不思議な感情に縛られる。


それと同じ感覚に囚われるものがまだある。
松尾芭蕉の『奥の細道』で有名な句。

夏草や兵どもが夢の跡

これも平家物語と繋がりがある。
でも私は、平家物語どころか、義経のこととか全く詳しくないし、大河ドラマも観ない。

ただ、松尾芭蕉の句は習い始めた子どもの頃から好きだ。
でもこの句は私の心に、芭蕉の他の句とは何かが違って響く。
この句を見ると見ると切なくて、涙が出そうになるのだ。


そして最後に極め付けがこれ。
とても古い昔の歌謡曲。
既に16年も前に亡くなった『三橋美智也(1930年11月10日-1996年1月8日)』の楽曲。
かなり年配の人しか知らないと思う。

【古城】

歌手:三橋美智也
作詞:高橋掬太郎
作曲:細川潤一


松風騒ぐ 丘の上
古城よ独り 何偲ぶ
栄華の夢を 胸に追い
あゝ 仰げば侘びし 天守閣

崩れしままの石垣に
哀れを誘う病葉(わくらば)や
矢弾(やだま)のあとの ここかしこ
あゝ 往古(むかし)を語る 大手門

甍(いらか)は青く 苔むして
古城よ独り 何偲ぶ
たたずみおれば 身に沁みて
あゝ 空行く雁の 声かなし


息苦しい…。
読むだけで息苦しい…。
たまにテレビ番組で『懐かしの…』とかで流れたり、出かける場所によっては有線で、
三橋美智也の声で歌われるこの歌が聴こえてきたりすると、
咽び泣く時のように喉の奥が詰まりそうになる。
死んだ父親の声が似ていたこともあってか、
重く悲痛なそれでいて懐かしい、矛盾した感情に圧し掛かられる。
涙が出そうなくらい息苦しくなる。

私が泣けない性質(たち)の人間だからかも知れないけれど…。

この気持ちの根拠が何なのか、全く意味が分からない。







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TITLE:時間の渦




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