此処は、人の道の迷子になってしまった『月の雫』が蹲っている場所です。 『月の雫』の心の葛藤の物語と詩を、絵と写真を添えて綴っています。
- 2014.02.04 雨が降る
- 2014.01.06 変わらぬ朝陽のように…
- 2013.03.29 錆(さび)
- 2013.03.20 見ない?見えない?見たい?見たくない?
- 2012.12.30 あなたには私が見えますか?
- 2012.12.28 足掻き
- 2012.12.11 一日の始まり
- 2012.11.20 雨上がりの三日月の夜に…
- 2012.11.08 コントロール
- 2012.10.24 egoist
- 2012.10.12 廃棄物
- 2012.09.28 フルイにかけて…
- 2012.09.14 キミの暗号
- 2012.09.04 人の死を願っています
- 2012.02.20 長い設問の解答
- 2012.02.18 やがて無能を思い知る
- 2011.05.12 Retreat(隠れ家)
- 2011.05.01 出来上がりはカステラ?
- 2011.03.06 水に沈む糸玉のように
- 2011.03.05 波紋
- 2011.03.04 終日
- 2011.03.03 自由と不自由
- 2011.02.28 RainDrops
- 2011.02.28 ガラスの道の真ん中で立ち尽くす、爪先から頭までの今日
- 2011.02.28 ジレンマ
雨が降る
時々心に焦げ痕ができる
雨が強く降る
ぽろぽろと炭になったところを
削ぎ落とす
修復できるかな
気弱になった部分に
闇色が沁みて…
朧に浮かぶ傷を擦り
音を立てて降りだす
指をきつく絡めて願う
この髪の先まで
どうか全部洗い流して下さいと
未練に姿を変えた燃えカスが
心のずっと奥のところから
小さく震える音になる
明日はきっと
いつもみたいに元気になってる
何もなかったように元気になってる
根拠のない呟きで
ふらつきながら旋律を引く
やがて雨垂れが
たどたどしく未来を歌い出すのを
あたしは息を殺してじっと待っている
TITLE:雨が降る
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見ない?見えない?見たい?見たくない?
できれば何も見たくない
見えなければいいと思う
後戻りできない
私はもう未来に繋がっている
でもそこに何の意味も見えない
世間の人は敢えて言葉にしないだけなのか
生きる人はそれでも目でものを言う
見る必要はないと
見てはいけないのだろうか
私が私を見つめることは
最早許されないことなのか
何も考えずに
人間らしく世の中に流されて
寿命とやらを迎えることこそが
生きるということなのか
世間に存在する人々は皆
満足気に一日を終えるように見える
何の疑問もなく『人で居る』ように見える
私は
自分が人として存在することに
疑問を抱いている
TITLE:見ない?見えない?見たい?見たくない?
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私の中に閉じ込められた私がいて
私を探して欲しい私がいて
私を引きずり出して欲しい私がいて
出られない私がいて
出たくない私がいて
出てはいけない私がいて…
ねえ
あなたには私が見えますか?
本当の私が見えますか?
嘘だらけの
甘い囁きが欲しいわけじゃない
ただここにいる
本当の私を見て欲しいだけ…
TITLE:あなたには私が見えますか?
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2012年、沢山の方に閲覧して頂きました。
皆様にとりまして2013年が素晴らしい年になりますよう、
心よりお祈り申し上げます。
どうぞ、2013年もよろしくお願い申しあげます。
足掻き
足元が崩されていく
動けない私までも削り取って
高笑いしながら
慣れなれししく
踏み込んできて
私の居場所まで荒らしていく
あいつは図々しく無遠慮に
これ見よがしに親切をかざして
何もかもを踏み荒らしていく
なのに私というやつは
抵抗の術を何ひとつ持っていない
少なくとも今日まで
短いとは言えないほど生きているのに
私は今まで何を学んで
何の為に生きてきたというのか
私は今あるこの生活をするために
ずっと生きて来たというのか
乗り越えてきたものは
何だったというのか
人生の何の役にも立ちはしない
私が闘って来たものは
私の人生の
何の役にも立ちはしない
明日が来るのに
明日に進めない…
見えない何かに
雁字搦めにさtれて
明日に進めない…
この場所に無駄なのは私?
TITLE:足掻き
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一日の始まり
希薄な酸素の漂う道を
わざわざ選んでいるわけじゃない
人の頭がごろごろ浮き沈みする川を
泳ぎたいわけではない
しぶしぶ目覚めただるい身体を引き摺って
遠くに響く他人のような自分の靴音を聞いて
自律神経で操られているはずの呼吸を
「私は息をしているんだ」って確認する
夜明けの雲間に僅かに滲む朱色に
今日も薄っぺらい気力を手繰り寄せる
あと何日?あと何日?あと何日?あと何日?
数えるのには未だ飽きてはいないから
夜明けを待つことはまだ出来る
明日も明後日も明々後日も…
しゃがんだり立ち上がったり…
振り返ったり遠くばかり見たり…
立ち上がっても前に進めるとは限らなくて…
ただ私の時間が
私の存在している今にリードをつけて
くたびれた私の首根っこをずるずる引っ張って
体幅の残痕を少し名残り惜しむ私を確認して
私を受け入れるのは私しかいないと納得する
まどろっこしく長い道程から
今日も一日が始まる
TITLE:曇った鏡に映る…
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普通にする呼吸を
そこだけ四角に切り取る
ぽかんと開いた穴に戸惑う
切り取ったのはワタシ
普通にする呼吸に
居たたまれない罪悪感
息苦しさは償いの具現化と知りつつ
身を委ねるのはワタシ
切り取った其処には
緻密に組み立てた『閉鎖』
誰にも取り壊せない要塞
不安を圧縮して躊躇を固めて
猜疑心で肯定を塗りつぶして
立て篭もっているのはワタシ
混沌とした思考回路を
行き着くところを察知してもなお
機械仕掛けのように回る
望むのは故障か電池切れ
しがみ付いていた場所が
明かりに晒されていくうちに気付く
要塞はただの廃棄場所
ポンコツになっていくのはワタシ
TITLE:廃棄場所
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昨日はまた嫌なアイツがきて
暫く来れなかったのは倒れて救急車で運ばれたからだって言った
あまりに嬉しくて笑えそうだった
(ワタシは腹の中で思いっきり笑ってた)
そのまま死ねばよかったのにって思った
アイツがずる賢く嫌なヤツだってこと
ワタシの上司はこれっぽっちも知らない
お得意さんだから機嫌を損ねる訳にはいかなくて
「お体大丈夫ですか」と顔で心配しながら
心の中で早く死ねとワタシは手を合わせる
思わず口に出そうなほど
早く死ねと心の中で呪文のようにワタシは繰り返し唱える
今日はジブンが死んだ方がいいとワタシは唱える
心が歪みっぱなしのクダラナイワタシが死んだ方がいいと
早く死ねばいいのにと呪文のように繰り返し唱える
そんな風に思うジブンは嫌なものに屈したみたいで
とても悔しいと声を殺して泣く
情けなくて
悔しい…
悔しい…
悔しい…
ジブン死ね!もう!
TiTE:檻の中の欲
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やがて無能を思い知る
病んでいるんだ
クダラナイ思い込みに固執して
偽者の衣ばかりを何重にも纏う
断ち切れぬ遺伝子のトラウマ
立ち向かう気力は無駄な抵抗という無機能
難解なパズルで組み上がる要塞
因果を破壊する武器をくれと叫び
運命(さだめ)に立ち向かう闘志をくれと叫び
異質な根源に意味付けを探して
能書きと言う陳腐な支えに縋(すが)る
迂回できない工事標識の前に立つ
薙ぎ倒したその先を歪んだ遠眼鏡で見る
ラーゲル(捕虜収容所)に投げ入れられた
生きると言う単純な難題を
落胆の裏に湧く殺意と戦いながら
宥(なだ)め賺(すか)し励まし
今も未来も希望をひとつずつ呑み込むだけ
僅かに昇華した尊いものさえ
魂の呼吸を締め付けるように誤変換し
焦燥に変える機能障害に陥る
野晒しの案山子に羨望を抱き
存在理由なんて要らないと誰かに言って欲しいんだ
『ん』と言う無に近い五十音の最後の文字みたいに
残骸の中にポツンと在っても
違和感のないあまりにも遠い記憶
リズミカルな鼓動に押し出されて
誘導される束縛に快感すら抱いているに違いない
膿み疼いて深い傷になっても気付かない
吐き出せないこびり付きになってやっと気付く
泣く場所と泣く私は自分で破壊した
逃げ道も破壊しようか?
問い;この文章に隠された真意を答えよ。
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Retreat(隠れ家)
薄暗がりの箱の隅に
秘密の通路をこっそり作って
慣れた足取りで足早に潜り込む
泳いでいた世界というより
泳がされていた世界で
温い酸素がゆっくりと身体中を巡る
逃げ込むのは…
過去の時間に取り込まれたままの意識
手を伸ばす事を忘れてしまった
どちらかと言うと回帰した安堵の境地で
お帰りと迎えてくれる皮肉たち
長く居過ぎたんだと思う
罪状の曖昧な執行猶予に
甘んじてしまうかのように
最早抵抗も闘いも捨てて
惰性に塗れてしまったこの身
居心地に慣れてしまったのかな
あれほど探していたIDも
その作業すら意味をなさない
スターターの乾いた音を鳴らして
覚悟を決めたのは自分自身だというのに
もうずっと遠くの
ただの勘違いくらいにしたくて
ゴールの見えない迷走に息切れしてる
ああ、隠れ家まであと少し…
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出来上がりはカステラ?
籠に材料がのっている
小麦粉、卵、バター、牛乳、砂糖、ベーキングパウダー、
その他個性的な具材やトッピング材料
出来上がりはカステラ……一人の人間
適正な分量で適正な状態で混ぜる…正常な愛情を注ぎ育てる
適正な時間で焼く…正常な愛情を注ぎ育てて見守る
美味しいカステラができる…一人の至極健全な人間ができる
材料が足りないとどうなる?出来損ない?個性的?
材料が上手く混ざらないとどうなる?出来損ない?個性的?
生焼けは追い焼きで何とかなるけれど焼き過ぎたらどうなる?出来損ない?個性的?
その他の混ぜ込み材料は魅力だったり病的だったり…
過剰なトッピングも善し悪し…
それを美味しいと思う人がいるから世の中が成り立っている?
人間ってカステラみたいに思えた
カステラが人間みたいって思えた?
私って、笑っちゃう
私ってどんな状態なんだろう…
見た目はカステラだけど、ちょっと材料が分離してるのかも?(笑)
TITLE:カステラになる?
水に沈む糸玉のよう…
私の過去という水の中に沈む
絡まった糸玉…
漂う一筋が初めか終わりか
慎重に手繰り寄せたところで
核心に辿り着く保障もない
偶然という無数の細い糸束で綯われ
漠然とそれは命という名で存在し
引き上げようとすればするほど
絡まったその結び目はきつくなる
隙間にわずかに含まれた気泡で
必死に呼吸をする
気泡が消えるたび
沈んでいく…
吐き出された弱音ばかりが漂う…
大丈夫だから
私はまだまだ大丈夫だから
絶対大丈夫だから!
辛うじて少しばかりの
ポジティブを確認するように
ゆっくりと大きく深呼吸する
…少し浮き上がる
TITLE:水に沈む糸玉
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化粧を落とす
右目だけアイラインが残る
丁寧に洗い流すのに
右目だけ何故かアイラインが残る
本当の私と…
闘ってきた私…
上っ面だけの笑顔を振り撒いて
偽りで固められた自分を削ぎ落とすように
しがみ付いている最後の嘘を洗い流す
本当の私に一番近い私が
限られた空間で静かに呼吸を始める
しびれを切らしたようにゆっくりと伸びをする
所々途切れた糸を結びながら
僅かな自由の中で希薄な自分を見つめる
このまま少しでも夜明けに近く…
いつしか記憶すら留めず
眠りに突き落とされる
闇の底に押し込められる
夜明けとともに目を覚ますのは
繰り返してきたいつもの私
時に流されぬよう生きるのに精一杯の
ただしがみ付いて生きている私
TITLE:終日
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自由と不自由
私の自由が
あなたの自由だった
それが居心地のいい世界だった
その世界を守るため
私はいつしか不自由になった
私の不自由が
あなたの自由を支えた
あなたの自由が
私の自由だと錯覚した
幻の居心地は
静かに崩れていった
不自由な私の自由は
あなたの自由を不自由にした
居心地のよかったあの時の世界を
取り戻そうとした
私の不自由が
あなたの自由だと知った
私は私の自由を縛りつけ
私を不自由にした
押しつぶされた私の自由が
悲鳴を上げていた
手を突き出して
自分らしさという未練にしがみ付いた
私の自由が
あなたの不自由になった
私の自由は
あなたの不自由に気付かない振りをして
新しい罪悪感を引き摺りながら
…歩き始めた
私とあなたの距離は遠くなった
TITLE:自由と不自由
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RainDrops
窓辺の細い桟(さん)に頬杖ついて
雨音に身を委ねる
髪や皮膚やそしてこの身に浸みてくる
窓ガラスの冷たい感触
もがいているいくつもの感情を
平静というオブラートで包んで
雨粒の重石を載せる
気付かれないように引き出しの奥に
…………隠し込む
鈍い音で転がりながら
イタイイタイって小さな声で
本当は必死に叫んでいる?
ねぇ、耳を澄ませてよ!
誰かに気付いて欲しいくせに
気付かれないように
矛盾というガラスの迷路
心の奥に滑り落ちるよ
…………結露になって
ぽっかりと開いている小さな穴は
時々容赦なく洞窟になり
孤独という暗闇に誘う
「ガンジガラメになろうよ…」
「ガンジガラメになろうよ…」
まだ力が残っているのかな
「無色のフリ」を着た憂鬱と絶望は
雨粒みたいに弾けてしまえ!って
背中側の別の自分が願っているから
もう少し歩いてみようかな
滲んで拡がるだけの染みのような過去を
水溜りに蹴散らしてカカトで跳ね上げて
ヌカルミに足を踏ん張ってさ
………もう少し歩いてみようかな
(もう、とっくに通り過ぎたけど
私の誕生日によせて……
TITLE:Rain Drops
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ガラスの道の真ん中で立ち尽くす、爪先から頭までの今日
私がこの世界に存在することは
誰にとってどんな風に
どれほどの意味があるのか?
こんなにも年月が経った今も
私は私自身に愛着も執着もないままで…
あの時からずーっとずーっと出来損ないで
今も変わらず私が見る私は出来損ないで…
最近やっと見え始めた自分の足元も
何かと引き換えに手に入れた未来も
結局何一つ未完成のまま泡のように消えた
それもいつか訪れる次のステップの前では
ただの錯覚だったと処理してしまうであろう自分が
少し先の未来で訝(いぶか)しそうに笑っている
恐る恐る後ろを振り向くと
私の中で叫んでいる何かを開放しようと
密かに大切な人たちを欺いた過去の自分が
自暴自棄を押え付けながら蹲(うずくま)っている
神様がいるなんて思っていないこんな私にも
神様は勿体ないほどの宝物をくれた
結局誰かを犠牲にしてまでも
自分の道を行く勇気はなかったけれど
それも様々な柵(しがらみ)の中で諦めに姿を変え
老いた身体を欲するように輝きを失せて行く
時間は優しくもあるけれど
こういうことには情け容赦ない
時間の流れを傍観者のように遠目で見ているくせに
切なさと侘しさを心の片隅に抱いている私がいる
手放せない好奇心とか野心とかに巣食われたジレンマが
しぶとく生きてやっと人間臭くなってる証拠で…
それはそれで素直によかったと思う
相変わらずガラスの道の真ん中で立ち止まったまま
私が私である少し特別な日はちっとも前へ進めなくて…
もうとっくに通り過ぎた誕生日は
爪先から頭までのたったその分に凝縮されている
(もう、とっくに通り過ぎたけど
私の誕生日によせて……)
TITLE:ガラスの道の真ん中で立ち尽くす
読んで頂きありがとうございます。
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ジレンマ
世の中が嫌になった
みんな死ねばいいと思った
画面に映し出される凄惨な事件
ニュースに繰り返される声は
サブリミナルのように動機を垂れ流す
胸の奥に疼疼と蠢く反乱因子
泡(あぶく)のようなそれを一心不乱に塗り潰す
奇麗なライムの色で塗り潰す
私の大好きなライムの色で…
何べんも何べんも色を重ねる
重ねても重ねても何か落ち着かなくて…
何べんも何べんも描く
描いても描いても何か落ち着かなくて…
好きな色をたくさん乗せたけれど
何か落ち着かなくて…
嫌なものがこびり付く…もやもやと積もる
楽しい気分はいけない…罪悪感が押し寄せる
同じような不満因子に共鳴する
自分の中にも存在する同じ動機
同じものを持っている自分への嫌悪感
絶対違う
絶対違う
絶対違うと心は叫んでいるのに
それは根を張るように存在している
払拭できない嫌な部分への嫌悪感
いろんなものを塗り潰す
やがて自分まで塗り潰して
いつしか無を求めて
自分が消えてしまえばいいのに…
そんな自分をまた塗り潰して
自分を見失っては堂々巡りばかり
TITLE:ジレンマ
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