此処は、人の道の迷子になってしまった『月の雫』が蹲っている場所です。 『月の雫』の心の葛藤の物語と詩を、絵と写真を添えて綴っています。
一日の始まり
一日の始まり
希薄な酸素の漂う道を
わざわざ選んでいるわけじゃない
人の頭がごろごろ浮き沈みする川を
泳ぎたいわけではない
しぶしぶ目覚めただるい身体を引き摺って
遠くに響く他人のような自分の靴音を聞いて
自律神経で操られているはずの呼吸を
「私は息をしているんだ」って確認する
夜明けの雲間に僅かに滲む朱色に
今日も薄っぺらい気力を手繰り寄せる
あと何日?あと何日?あと何日?あと何日?
数えるのには未だ飽きてはいないから
夜明けを待つことはまだ出来る
明日も明後日も明々後日も…
しゃがんだり立ち上がったり…
振り返ったり遠くばかり見たり…
立ち上がっても前に進めるとは限らなくて…
ただ私の時間が
私の存在している今にリードをつけて
くたびれた私の首根っこをずるずる引っ張って
体幅の残痕を少し名残り惜しむ私を確認して
私を受け入れるのは私しかいないと納得する
まどろっこしく長い道程から
今日も一日が始まる
TITLE:曇った鏡に映る…
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