此処は、人の道の迷子になってしまった『月の雫』が蹲っている場所です。 『月の雫』の心の葛藤の物語と詩を、絵と写真を添えて綴っています。
時計
時計
初めて自分で働いて手にしたお金で
一番最初に買ったものは何?
ぼくが買ったものは時計…
無意識のはずなのに
欲しかったのは時間
それは生きてきた
巻き戻したい願望を押し殺した時間だったり…
思い通りに手中にあるというのに
何度も確認しなければ不安になる時間だったり…
息を切らして過去から脱出してきたぼくは
誰かに心を見透かされるのが怖くて
読み取られまいと必死に呼吸を整え…
少なくとも明るい未来を信じていたから
最初に選んだものは…
…時計だったんだ
時間はいつしか一人歩きするというのに…
ぼくはもうくたびれたよ
あまりに長くそれを追いかけ過ぎて…
別のものを手に入れられそうにない
だからただ時間の波に漂っている
時計の文字盤の上の
ゆったりと生まれている渦に翻弄されている
此処に在りたいと願う気力さえ
奪われたまま…
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