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此処は、人の道の迷子になってしまった『月の雫』が蹲っている場所です。 『月の雫』の心の葛藤の物語と詩を、絵と写真を添えて綴っています。

   
ありがとうが言えない(2)

ありがとうが言えない(2)

 

 

こんなに大人になってしまってから、

最近はやっと人の助けを受け容れる事が出来るようになったが、
根本にある気持ちは全くかわっていない。

 

私の嫌なところは、自分がそうだからだと思うが、
相手が何かをする時に困っていても、
手を差し伸べてあげることができないというところだ。

私が出来ることに関しては、
「こんな私でもできたんだから、自分で何とかしなさいよ」
冷たいかもしれないがそんな風に思ってしまう。
酷い時は「あなたも困ればいいんだ」と思ってしまう。

でも、私には到底出来そうもないことで、
相手が処理や対処に苦戦している時はどういうわけか、
躊躇なく手を差し伸べる事ができる。
そこにはおそらく羨望と尊敬が生まれているように思う。

ただ、今、私が常識だと思ってやれていることは、
意外にも世の中では結構難しいことだったりする。

私が、育った環境でこんなことも出来ないのかと
『どん臭さ』のレッテルを貼られてきたことが、だ。

しかし、出来るから得したと言うことはあまり無く、
相手に劣等感を与えるばかりで、
相手を嫌な気分にさせて毛嫌いされることが多かった。

だから出来ない振りをして、相手をバカみたいにおだてて、
ひたすら目立たないように生きてきた。

こんな風だから、自分が当たり前だと思ってやっていることや、
助けなしでもなんとかやれる事を、
褒められても手助けされても嬉しくないんだと思う。
 

続く…

TITLE:さりげなく…在る

 

 


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